便の単位について

  • 便は、通常の、1つの路線(ルート)の中で始発バス停から終点バス停までを走る1回の運行を単位とします。ダイヤ管理システムや時刻表で1つの便としているものをそのまま使用します。
  • JR山手線のように環状の路線を複数回回り続ける場合は、1周を1便とし、GTFSの「便結合」で連続する便を結合し、継続して乗車できることを表現します。(←GTFSベストプラクティス)

route_id(経路ID)【必須】

  • 便が属するルートのroute_idを設定します。

service_id(運行日)【必須】

  • 便が運行する日を示すservice_idを設定します。詳細は、運行日の設定(calendar.txt、calendar_dates.txt)の項で説明します。

trip_id(便ID)【必須】

  • 便のIDを設定します。通し番号のような付け方でも構いませんが、GTFS作成ツール等では視認性を高めるため、route_id、系統番号、service_id、始発時刻、direction_id、便番号などを組み合わせて生成しています。
    • 例1:平日_05時35分_系統101
    • 例2:1全日_08時20分_系統111001
    • 例3:1+1+平土+1

trip_headsign(便行き先)【任意】

  • 便の行き先を設定しますが、バス車体での表示(方向幕など)、HP掲載の時刻表での表示、バス停での表示などに一致させることを推奨します。
循環路線の場合の注意
  • 始発バス停に戻ってくる循環路線の場合、行き先=始発バス停名 とならないようにし、途中の主なバス停名、団地名、施設名などに”方面”を付けることを推奨します。”方面”を付けるのはそこが終点でないことを示すためです。
  • さらに、trip_headsignに表示した地点を通過したあとはstop_times.txtのstop_headsignに最終の行先を設定します。(左例)
  • もしくは、すべてのバス停にstop_headsignを設定します。この場合、headsignはすべて上書きされますので、headsignは空欄で構いません。(右例)
  • ただし、バスの方向幕やHP、バス停の表示が循環路線であることを示すものとなっている場合はその通りに記載します。
    • 例:柏市内循環
途中で行き先表示が変わる場合(stop_headsignの設定)
  • 循環路線であってもなくても、途中で方向幕やバス停での行先の案内が変わるときは、stop_times.txtのstop_headsignで途中から行き先表示が変わることを示します。後述のstop_headsignの項を参照してください。

trip_short_name(便名称)【任意】

  • 便に固有の名称がある場合に設定します。路線の愛称(例:”空港シャトル”、”市民病院連絡バス”)やバス車両の愛称(例:”そよかぜ号”)などは設定できません。特に便に固有の名称がなければ設定しません。

direction_id(往復区分)【任意=上り・下り等がある場合は推奨】

  • バスの上り・下り、行き・帰り、右回り・左回りなどを区別するために設定します。データ利便性の向上のため設定することを推奨します。
    • 0:復路 1:往路(←GTFS-JP仕様書)
    • (理由)時刻表の作成、バスデータの集計や分析などのGTFSデータ利用時には方向を区別する必要があることが多く、direction_idを設定しているとその区分を用意に把握できる。
  • 復路(帰り)を”0″、往路(行き)を”1″と設定することなっていますが、上り・下りはどちらを”1″と設定しても構いません。

block_id(便結合区分)【任意】

  • X便(始発:Aバス停→終着:Bバス停)とY便(始発:Bバス停→終着:Cバス停)があったとき、X便の車両がそのままY便になり、乗客もBバス停で降りずにそのまま乗車していられるとき、X便とY便は連続便であるといいます。
  • 連続便であるX便とY便のblock_idに同じIDを設定します。さらに、Y便とZ便が連続便である場合には、Z便のblock_idにも同じIDを設定します。

shapes_id(描画ID)【任意】

  • shapes.txt(バスの走行するルートの座標データ)を作成している場合に設定します。shapes.txtがない場合は設定しません。詳細はshapes.txtの項をご覧ください。

wheelchair_accessible(車椅子利用区分)【任意】

  • 車いすの乗車可否を次のコードで設定します。
    • 0 または空欄:車いすの乗車可否情報なし
    • 1:少なくとも1台の車いすによる乗車可能
    • 2:車いすによる乗車不可

bikes_allowed(自転車持込区分)【任意】

  • 自転車の持ち込み可否について次のコードで設定します。
    • 0 または空欄:自転車持ち込み可否の情報なし
    • 1:少なくとも1台の自転車の持ち込み可能
    • 2:自転車の持ち込み不可

jp_trip_desc(便情報)【任意】

  • 運行日情報(calendar.txt、calendar_dates.txt)で表現できない運行日情報(”学休日運休”)や便に固有の情報(”ボンネットバスで運行”)などを設定できます。
  • ただし、現時点では経路検索結果などで表示されるとは限りません。

jp_trip_desc_symbol(便記号)【任意】

  • 時刻表作成時に便に補足情報をつける符号を設定できます。ただし、GTFSに凡例情報(符号が何を意味するかの説明)を記述することができないため、この項目だけでは、設定する意義はあまりありません。

jp_office_id(営業所ID)【任意】

  • 忘れ物や定期運賃の問合せなどのために、乗換案内結果にバスの営業所の連絡先を表示するために利用されます。詳細はjp_office.txtの項をご覧ください。

jp_pattern_id(停車パターンID)【任意】(GTFS-JP仕様書第3版で追加)

  • GTFSデータをバスロケや音声案内合成などで利用する場合などで、停車パターン(バス停の並び順)の情報が必要な場合に設定します。GTFSデータがこれらの用途に使用される場合に、バス事業者・市町村がバスロケや音声案内合成事業者などと協議して、どのように設定するかを決めてください。
  • または、バス事業者が社内管理用の系統コードを記載しておきたい場合には、ここに設定することができます。